賃貸物件に住んでいると、「更新料」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。賃貸契約が一定期間で区切られ、そのたびに「更新」という言葉も出てきますが、実際に「更新料」とは何なのか、また「再契約」とはどう違うのか、どういう場合に支払うのかは、意外と分かりにくい部分でもあります。
本稿では、不動産業界に長く関わる立場から、更新料の仕組みや再契約との違い、そして交渉が可能かどうかについて、できるだけ分かりやすく、かつ断定的にならずに解説してみたいと思います。
1. 更新料とは?
更新料は、賃貸借契約が一定期間(一般的には2年)で終了するタイミングで、借主が貸主に支払う料金を指します。法律上の決まりは特になく、あくまで契約当事者間で取り決める「慣習的な費用」と言えます。
一般的な賃貸借契約では、契約期間が終わると契約が一旦終了し、そこから「契約更新」もしくは「再契約」によって新たな期間がスタートします。その際に、貸主が貸し続ける意思を示す意味合いとして更新料が請求されることがあります。
更新料の金額は地域や物件の種類によって異なり、家賃1か月分が相場とも言われますが、まったくかからないケースも増えてきています。
2. なぜ更新料が発生するのか?
更新料の発生理由は、法的な根拠よりも、貸主側の「契約の継続に対する手数料」的な意味合いが強いのが実情です。賃貸物件の管理や契約更新にかかる事務手続きの費用を補填する意味合いもあります。
また、更新料があることで、借主が契約期間終了後も継続して住む意思があることを確認し、無断での契約終了を防止する抑止力にもなる側面があります。
ただし、更新料は借主にとって負担感が強い費用であり、近年では「更新料なし」の物件を増やす動きも広がっています。
3. 「更新」と「再契約」は何が違う?
「更新」と「再契約」は似たように使われることもありますが、法律上は異なる概念です。
更新
法律用語でいう「更新」とは、既存の賃貸借契約の効力が継続することを指します。つまり、元の契約条件や期間をそのまま延長するイメージです。更新の場合、基本的に契約内容は変わりません。
一般的な賃貸契約の更新では、新たに契約書を交わすのではなく、「契約期間を延ばしましょう」という合意が成立すると契約が更新されます。更新料はこのタイミングで請求されることが多いです。
再契約
一方、再契約とは、新たに契約書を交わすことで、契約条件を変更する場合が多いです。たとえば、家賃の見直しや契約期間の変更、その他の契約内容の変更を伴う場合に「再契約」と言われることがあります。
再契約では、新たな契約として扱われるため、更新料の代わりに「礼金」や「再契約手数料」などが発生する場合もあります。
4. 更新料の相場と地域差
日本全国で更新料の慣習は異なり、地域によってはほとんど見られないところもあります。例えば関西圏では更新料が少ない、あるいはゼロの物件が多い一方で、首都圏や都市部では家賃1か月分程度の更新料が定着しているケースが多いです。
物件の種類やオーナーの考え方、管理会社の方針によっても大きく変わりますので、一律のルールはありません。
5. 更新料の交渉は可能か?
更新料に関してよくある疑問が、「支払わなくてもよいか」「交渉できるか」ということです。
結論としては、契約書に明記されている場合は基本的に支払い義務がありますが、借主の状況や大家さんとの関係、物件の需要と供給のバランスによっては交渉の余地があることもあります。
例えば、長期間良好な入居履歴があり、トラブルがない場合や、空室が目立つ地域・物件であれば、更新料を免除してもらえたり、金額を下げてもらえたりするケースも少なくありません。
ただし、大家さん側も更新料は一定の収入源として考えているため、交渉が必ずしも成功するとは限らないのが現状です。
6. 更新料がない契約のメリット・デメリット
近年、更新料がかからない「更新料なし」物件が増えています。これには借主にとって負担が減るメリットがある反面、大家さんや管理会社にとっては契約更新時の収入が減るというデメリットもあります。
更新料なしの物件は、初期費用の負担が軽減されるため、若い世代や転勤族などのニーズが高まっています。一方、更新料収入がない分、家賃がやや高めに設定されているケースもあります。
7. まとめ
更新料とは、賃貸契約の期間が終了した際に、契約を継続するために借主が貸主に支払う費用であり、法律で必須と定められているわけではなく、あくまで慣習的な側面が強いものです。
「更新」と「再契約」は似ているようで異なり、更新は契約の継続、再契約は契約の新規締結に近いものと理解するとわかりやすいでしょう。
更新料には地域差や物件ごとの違いがあり、交渉の余地がまったくないわけではありませんが、契約書の内容や貸主の意向によるところが大きいことを頭に置いておきたいものです。
賃貸契約を更新する際には、ぜひ管理会社や大家さんに率直に相談してみることをおすすめします。納得のいく条件で、快適に住み続けられるよう、情報を整理しながら進めてみてください。
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